2人のユウト





「彼女置いて逃げるほど、僕は気弱じゃありません」



 おぉ!かっこいいじゃない。


 小説、書いちゃおうー。


 完全に私、職業病だわ。



 こんなピンチの時に考えるんだもの。



 灯さん、褒めてください。



「彼女の前だからって、かっこつけるな!

・・・ん?」




 ん?どうしましたチャラ男さん。




「お前、どこかで見たことあるなぁ・・・」



「どこですか?
僕はあなたなんて会ったことありませんけど」




「どこだっけなぁ・・・。

・・・・あ、思い出した」



 思い出すの早いな。



「お前、あの家の息子じゃないか?」




 あの家の息子?


 理事長のこと?