2人のユウト






☆☆☆



「今日は楽しかったよ。
じゃあね、勇都くん」



「あぁ・・・じゃあな。気を付けろよ」




 女らしく胸の前で小さく手を振りながら、幸菜は帰っていく。



 ・・・俺も帰るか。



 俺は駅から徒歩で数分の所に家がある。




「ただいまー」




 餓鬼の頃からの癖で、帰ると言う癖がある。



 電気のついていない、静かな家。




 まぁ、昔からだし、特に気にしない。




 真っ直ぐ部屋へと向かい、ベッドに寝転がる。






 日下幸菜・・・か。



 あいつだったら、俺を変えてくれそうだな・・・。



 何も知らない、世間知らずの俺を。