2人のユウト






「・・・・・」




 俺は何も言わずに、ただ自分の制服を見ていた。



 ネクタイの辺りが、濡れていた。




 水門の持つバケツにはいっていた水が、ぶつかった拍子に俺にかかったのだ。




「・・・大丈夫、ですか・・・・・?」



「・・・あのさぁ」




「・・・はい、なんですか・・・・?」




「どうして、そんなに気弱なわけ?」




 俺が女でも男でも、1番嫌いなタイプ。




「・・・わかりません・・・・・」




 わからねぇわけ、ねぇだろ?



 こいつ、おかしな奴だな。




「・・・そう、言われていたので・・・・」