「……んっ…」
目を開けるとそこにあったのは広い草原。
「ここは……どこ……?」
たしか俺はさっきまで…
『目が覚めましたか?』
どこからか聞こえた声。
「誰だ。」
あたりを見渡しても人っ子一人いない。
『私はこの世界の管理人です。』
「管理人?」
『はい。アグナチャーネルと申します。お見知り置きを…。』
「ここはどこだ。」
さっきまで俺は初詣に行っていたはずだ。
何でこんな草原の真ん中にいるのだろう。
『ここはバーチャルです。』
「バーチャル?」
『この世界は私が作り出したゲームの世界。』
「ゲームだと?…まさか」
晴輝は嘲笑った。リアルの人間がゲームの世界に行けるわけがない。
『本当です。あなたはこのゲームのプレーヤーの一人です。』
「プレーヤー?まずリアルの人間がゲームの世界に行けるわけがない。」
『君はリアルにはもういないだろう?』
「え?」
『君は生死の狭間にいる者。よく思い出してごらん。ここに来る前の事を‥』
「ここに…来る…前……」