母が言った

 「さや。シンゴはそんなけの男だったんだよ。
  運命の人じゃなかった。それだけのこと。
  いなくなったさやの子供もシンゴと別れてよかった。って言ってるはずだよ。
  なのにあんたが死んだらマリンに怒られるよ?
  ちゃんと生きなさい。マリンの為にも強くならなきゃ!」



私は泣いた。

何時かが経っただろう・・・



私のせいでおばあちゃんの家に行くのが遅くなってしまった。

私は笑いながら精一杯の顔で

 「母さん。さやこんな顔じゃいけないし家にいるから3人でいってこや!」

母は笑った。

 「さや。そんなこと言わないの!行くよ!みんな待ってるから。
  顔洗って!・・・母さんも洗わなきゃね!」


2人ともぐちゃぐちゃな顔だった。

このときお母さんがいてくれてよかった。

心からそう思った。