ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜



「店長さん!お会計お願いします」

「え?ええ…」


俺がドアの前で呆然と立ち尽くす中、田村がさっさと会計を済ます。
そして、俺の目の前に立つと、眉間に皺を刻んでキッと鋭く睨んできた。


「大人って簡単に裏切るんですね」


田村の言葉に、ピクッと右瞼が上がる。


「最低」


そう言い残して、田村もまた店を飛び出した。


田村の言葉が、頭の中を木霊する。


俺…さっき何を思った?

京子が弱みを見せられる唯一の居場所でありたい、って…
そう思わなかったか?

恵里奈が見てるのに、恵里奈という大事な存在がいるのに。
他の女の力になりたいって、恵里奈のことをそっちのけにして、そう思った。


俺は…馬鹿だ。
田村にああ言われても仕方がないことを、俺はした。

柚姫ちゃんに恵里奈が不安がってるって聞いてたのに、恵里奈をフォローするどころか声すら掛けなかった。

京子よりも、恵里奈に先に声を掛けて、紹介するべきだったんじゃないか?
恵里奈の不安を解いてやることが最優先だったんじゃないか?

なのに俺は…