ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜



気味の悪い笑みを浮かべて、俺の肩をペシペシ叩くハル。

「いってぇな」とその手を振り解いていると、京子がそんな俺達を見て「ふふ」と笑った。


「懐かしいなぁ〜。この感じ…あの頃に、戻りたいな…」


あの頃に戻りたい。
そう言った京子の顔に影がかかり、やけに悲しそうに見えた。


「京子…何か、あったの…?」

「ううん、何でもないの!最近、日本第一号店のことで忙しかったから、ちょっと疲れてるだけ。でも、二人と久しぶりに会って元気もらったからもう大丈夫よ」

「そう?あんまり無理しないでね?」


「大丈夫大丈夫」と、笑う京子。
だけど、無理矢理笑顔を作ってるの痛いぐらいにわかる。

こいつ、変わってねぇな。
人に泣き言を言わない、弱いとこを見せない。

俺になら…全部見せてくれたって構わないのに…

俺は、お前が唯一泣ける場所になりたかったんだ。


「京こーー」

ガタンッ!


俺が京子の名前を呼んで、京子の肩に手を置こうとした、その時。
急に椅子を勢いよく引く音が店内に響いた。

その音にハッとして、咄嗟に手を引っ込める。
カウンター席に目を向けると、恵里奈がカウンターに両手をついて立ち上がっていた。