足を止め恵里奈を見ると、肩で息をしてる恵里奈と目が合った。

さっきまで泣いた後の酷い顔をしていたのに、どうやら少しはマシになったようだ。


『あ、あの…手…』

『あ、悪りぃ』


繋いだままの手を離す。
若干、寂しい気持ちになるのは何だろう。


『助けてくださってありがとうございました』

『いや、別に』

『でも、どうして私達まで警察から逃げなければならなかったんですか?悪いこと何もしてないのに』


キョトンとした表情で聞いてくる恵里奈。
その顔が、あまりにも間抜けに見えて可愛らしい。


『ああ…条件反射ってやつ?警察がいたら逃げなきゃヤバい、みたいな?お前だって一度はタバコとか酒を飲んだことあんだろ?』

『タバコもお酒もないですよ!』

『は?ないの?お前、優等生というか模範生なんだな。まぁ、昔は色々とヤンチャしてたからな。警察に補導される前に逃げるってのが体に染み付いたっつーか』


理解出来ないと言わんばかりに、恵里奈は『はぁ…』と相槌を打つ。