「どういう意味だよ」

「そのままの意味ですっ！私がどうなったって並木さんには関係ないことなんですよね⁉︎なら、私のことなんて放っておけばいいじゃないですか！」

「っっ」

「並木さんの曖昧な優しさが…辛いんです…」


大粒の涙が頬を伝う。

こんなこと言いながら泣いたら、私は並木さんが好きって言ってるようなもんじゃない…

だけど、止まらない。


急に泣き出した私に戸惑う並木さんが、口を開きかけた時。


「っ、ごめんなさい…私、帰ります…」


そう言って、駆け出した。

今は並木さんと話していたくない。
これ以上話していたら、“好き”って言葉にしてしまうから…


「おいっ！」と、並木さんが焦ったように叫ぶ声が聞こえる。


だから、それが駄目なんだよ、並木さん…

どうでもいい女を引き止めたりしたら、私みたいな馬鹿女は期待しちゃうんだから。