「え?あの…」
進展って、それどころか今呆れられちゃってますけど…
それに、今のこの気まずい空気の中でその話はちょっと…
相変わらず強烈なハルさんに戸惑い、隣りに立ったままの平井さんに救いの目を向けた。
「ハルちゃん、お客様困ってるよ」
平井さんが助け舟を出してくれるものの、今だ私の手を握ったままのハルさん。
「だって柚姫(ユズキ)も気にならない?あの剛のーー」
「おいハルっ‼︎‼︎」
ハルさんの言葉に被せて聞こえた並木さんの声。
それと同時に、ハルさんに握られてた方の手を強引に引っ張られると、その勢いのまま並木さんの胸に抱かれる形になった。
ふわっと香る生クリームのような甘い香りに、ドキッと胸が弾む。
そっか。
仕事でずっとスイーツを作ってるから並木さんに匂いが移るんだ、なんて冷静に分析する私。
「あらあらあら!お熱いこと」
「っっ、お前ちょっと来い!」
うふふ、と笑うハルさんを睨みつけた並木さんは、私をまたもや強引に引っ張って店の外に連れ出した。

