「その自信が危ないんだよ。創ちゃん、運命の恋は突然雷に打たれたように、ビビビッてハートを貫くんだから」

「あはは、それじゃあ感電して死んじまうだろ」

 妃乃ちゃんの言葉に爆笑している良。俺は何故か笑えない。

 俺は礼奈が小学生の時から知っている。だからビビビッなんて、雷に打たれるような激しい恋なんてしてないし。いつのまにか妹みたいな感情が恋に発展したわけで。

 でも、そんな風に言われたら、俺達がまるで運命の相手じゃないみたいだろう。

「ビビビッー! 恋愛ビーム発射!」

 礼奈は笑いながら俺に両手の指を向ける。子供染みたギャグは、やっぱりまだ中学生だ。

「あー……やられたぁ……」

 礼奈の恋愛ビームにやられて倒れた俺を、敏樹はバカにした顔で見ている。

「ほら、みんなヤられろ、ヤられろ」

「「ヤられたぁ~!」」

「んふっ」

 みんなを恋愛ビームで薙ぎ倒し、嬉しそうに笑う礼奈は中学生というより小学生レベルかも。

「礼奈ちゃんさ、可愛いからモテるでしょう? 中学校で告られたりしないの?」

「告白されたことはあるよ」

 なんだってぇー!?
 初耳だよ、桐生以外にも告られたことがあるのか!?

「まじで? やっぱりね。だって礼奈ちゃんは仔猫みたいに可愛いもん。告られて当然だよね。それでどんな男子?」

 妃乃ちゃんの暴挙はさらにヒートアップする。もはや、誰も止める者はいないのか。

 でも、俺には聞く権利がある。
 俺は礼奈の彼氏なんだから。