【創side】
「遊んでないで、さっさとキャンプ場に戻れ」
俺達は遊んでいたわけじゃない。
本気で死を覚悟したんだからな。
「創、あとでちゃんと状況説明をしてもらうからな」
敏樹は鬼の形相で俺達を睨む。
こんな近距離で遭難したと勘違いするなんて、山の怖さを痛感したが、状況説明なんてできないよ。
俺達は敏樹や良介と一緒にテントに戻った。
テントの前で美貴ちゃんと妃乃ちゃんが、バーベキューコンロの上でホットドッグに挟むソーセージを焼いていた。
昨夜夕食を食べていない俺達は、その香ばしい匂いに腹の虫がグーグー音を鳴らす。
「敏樹、炭はどうしたんだよ?」
「昨夜、俺達が困ってたら、隣のテントにいた人が、『もう帰るから』って残りの炭を分けてくれたんだよ。親切な人がいるもんだよな」
「はぁー!? 俺達が林で木の枝を拾った苦労は無駄だったってことか?」
「うん、無駄無駄。昨夜、お前のテントで寝たら、広くてサイコーだった。なっ、美貴」
「うん、サイコー」
まじで、コイツら極悪人だ。
とても親友だとは思えない。
鬼だな、鬼。
「最低なヤツらだ」
「なーんちゃって。本当は二人だけで一夜を過ごしたくて、ばっくれたんだよね。うふふ。だから、私達も気をきかせて、昨夜は捜しに行かなかったんだよ。敏樹は狂犬みたいに怒ってたから、宥めるの大変だったんだからね」
妃乃ちゃんは意味深な笑みを浮かべている。
そこは全員で捜しに行くべきだろう。
「俺達は道に迷って遭難してたわけで。別に……変な下心があって、ばっくれたわけじゃない」
俺は礼奈に同意を求める。
「うふふっ」
礼奈は恥ずかしそうに頬を染め、幸せそうに笑った。焼いたトーストの上で溶けているバターみたいだ。
そんな顔をすると、俺達が抱き合って寝たことが敏樹にバレてしまうだろう。
「遊んでないで、さっさとキャンプ場に戻れ」
俺達は遊んでいたわけじゃない。
本気で死を覚悟したんだからな。
「創、あとでちゃんと状況説明をしてもらうからな」
敏樹は鬼の形相で俺達を睨む。
こんな近距離で遭難したと勘違いするなんて、山の怖さを痛感したが、状況説明なんてできないよ。
俺達は敏樹や良介と一緒にテントに戻った。
テントの前で美貴ちゃんと妃乃ちゃんが、バーベキューコンロの上でホットドッグに挟むソーセージを焼いていた。
昨夜夕食を食べていない俺達は、その香ばしい匂いに腹の虫がグーグー音を鳴らす。
「敏樹、炭はどうしたんだよ?」
「昨夜、俺達が困ってたら、隣のテントにいた人が、『もう帰るから』って残りの炭を分けてくれたんだよ。親切な人がいるもんだよな」
「はぁー!? 俺達が林で木の枝を拾った苦労は無駄だったってことか?」
「うん、無駄無駄。昨夜、お前のテントで寝たら、広くてサイコーだった。なっ、美貴」
「うん、サイコー」
まじで、コイツら極悪人だ。
とても親友だとは思えない。
鬼だな、鬼。
「最低なヤツらだ」
「なーんちゃって。本当は二人だけで一夜を過ごしたくて、ばっくれたんだよね。うふふ。だから、私達も気をきかせて、昨夜は捜しに行かなかったんだよ。敏樹は狂犬みたいに怒ってたから、宥めるの大変だったんだからね」
妃乃ちゃんは意味深な笑みを浮かべている。
そこは全員で捜しに行くべきだろう。
「俺達は道に迷って遭難してたわけで。別に……変な下心があって、ばっくれたわけじゃない」
俺は礼奈に同意を求める。
「うふふっ」
礼奈は恥ずかしそうに頬を染め、幸せそうに笑った。焼いたトーストの上で溶けているバターみたいだ。
そんな顔をすると、俺達が抱き合って寝たことが敏樹にバレてしまうだろう。