そのあと、ファミレスでご飯を食べて家に帰ってきたのは10時頃だった。


目の前に見える自宅の窓から光が漏れているので美智子さんはもう帰ってきているのだろう。

玄関のドアを開けると、突然、体がふわりと包まれた。



「どこいってたの!!」



声とは裏腹に、美智子さんは優しく私を抱きしめた。

とりあえず、お風呂に行ってきなさいと言われたので先に使わせていただくことにした。



ポチャンと湯船に浸かっているとここまで怒号が響いた。

たぶん、琉生が怒られている。
何とも言えぬこの状態。


お風呂からでると、琉生の姿はそこにはなかった。
美智子さんはなにやら自分の仕事に。



「あの、その、ごめんなさい……」

「あぁ。いいのよ。悪いのは琉生だから」



にっこりと笑う美智子さん。
琉生にお風呂が空いたことを伝えて自分の部屋に戻った。


自分の課題や明日の準備などをして、就寝しようとしたころだった。



「ちょっと、いいか?」



ノック音と共に琉生の声がドア越しに聞こえた。



「あーうん」