白堵がキスをした薬指には小さな赤いあとが残っていて、それがキスマークだと気づくのに、少しだけ時間がかかった。 「……現実だね、きっと」 「『きっと』じゃない『絶対』」 白堵はそう言いなおし、にっこりとほほ笑んだのだった。