学校を卒業してから異性とあまりかかわっていないから、なんだか変な気分だ。


「で、でも、あたしの幻覚や幻かもしれないし? 最近疲れてるし」


あわててそう言い、そっぽを向く。


すると白堵は小さく笑い、「ねぇ、ちょっと。手の平出して?」と、言ってきた。


「え?」


視線を戻して聞き返す。


「手のひら」


もう1度同じことを言われ、あたしはおずおずと右手をレジへと近づけた。