姿を見てもらえなくても。


見返りを求めることなく、愛してくれる。


そんな妖精たちのことを思うと、胸が苦しくなる。


「少なくとも、月奈には俺たちが見えてる。今は、それだけで十分だろ」


美影が、そう言ってあたしの頬をつついた。


でも……。


あたしは人間だから。


妖精のように、まっすぐなダケじゃ生きていけないから。


やっぱり不安になってしまう。


美影たちが、いつか人間のことなんて嫌いだと、感じるようになってしまうんじゃないかと……。