恋の相手は小指サイズの俺様王子!?

「妖精たちの自然な姿を観察したい。それを書きたいと思ったんだ」


「だから、見えないふりをしていたんですか?」


「そういうこと」


美影白堵さんの説明に、あたしはようやく納得した。


それなら、美影たちの言葉も嘘ではない。


「自然な姿ということは、あの作品に書かれていることは、すべて事実ということですか?」


陽菜ちゃんが、鋭い突っ込みをいれる。


「あぁ。妖精たちの会話を聞いて書き上げたものだ。すべて事実というより、事実をもとにしたフィクションと呼んだ方がいいかもしれないな」