ムードのかけらもないくらい、怖い音楽と主人公の悲鳴が部屋に充満している。


でも……。


そんなこと、もう、あたしたちには関係なかった。


「俺の、彼女になってくれないかな?」


緊張からか、少し震えた声でそう言われると、ホラー映画を見ていたことなんてすっかり忘れてしまう。


そしてあたしは「はい……」と、頷いたのだった。