なんて、言えるはずもなく、あたしは恥ずかしさを隠すためにテレビ画面に集中した。


あたしがテレビに集中したことで、部屋の中にはホラー映画のおどろおどろしい効果音が響き渡る。


この、どくとくの音楽だけでもう十分怖い。


微かに震えながら、主人公たちの運命を見守っていると、暖かなものがそっとあたしの手を包み込んだ。


え?


驚いてみると、秋生さんがあたしの左手を握りしめている。


な、なに?