妖精は元々服を着て生まれるから、着替えとかはしないんだろうか?


「着ている服を変えるのよ」


「なんのために?」


「それは……」


答えかけた言葉を遮って口を開いたのは菜戯だった。


菜戯はいつものようにメガネをクイッと直すと、「汚れたり汗をかいたりすると、人間は着替えをする」と、言った。


「妖精は、着替えないの?」