…手渡された袋を握りしめたまま、駅に向かい、電車に乗った。
席は空いていて、私は出口に近い座席に腰かけた。
…この前のお礼だと言っていた。
たぶん、私がペットボトルを渡したそのお礼。
なんだか、申し訳なさが一杯になった。でも、それと同時に、
嬉しさも一杯になる。
・・・それに比例して、さっきの女性と、あの指輪の事も思い出され、
複雑な気持ちになる。
博さんの考えている事も、この行動も、全然理解が出来ない。
・・・そんな複雑な気持ちのまま、袋を開けた。
「・・・あ、可愛い」
自然とそんな声が漏れた。
だって、私が好きなデザインの髪留めだったから。
…これをどんな想いで、買ったのか、私にはわからない。
でも、きっとこんな物は、女性が入るような店なので、
恥ずかしかったに違いない。
「…ありがとう、博さん」
小さな声で呟いた。
…博さんへの想いは、絶たなきゃいけない、恋人がいるなら、
奪っちゃいけない。そう思った。・・・でも。
この想いは、止められそうにない。
片思いなら、博さんの事を想ってもいいよね?
博さんや、その彼女を傷つけなければ、・・・いいよね?
・・・無意識に、髪留めを抱きしめていた。
席は空いていて、私は出口に近い座席に腰かけた。
…この前のお礼だと言っていた。
たぶん、私がペットボトルを渡したそのお礼。
なんだか、申し訳なさが一杯になった。でも、それと同時に、
嬉しさも一杯になる。
・・・それに比例して、さっきの女性と、あの指輪の事も思い出され、
複雑な気持ちになる。
博さんの考えている事も、この行動も、全然理解が出来ない。
・・・そんな複雑な気持ちのまま、袋を開けた。
「・・・あ、可愛い」
自然とそんな声が漏れた。
だって、私が好きなデザインの髪留めだったから。
…これをどんな想いで、買ったのか、私にはわからない。
でも、きっとこんな物は、女性が入るような店なので、
恥ずかしかったに違いない。
「…ありがとう、博さん」
小さな声で呟いた。
…博さんへの想いは、絶たなきゃいけない、恋人がいるなら、
奪っちゃいけない。そう思った。・・・でも。
この想いは、止められそうにない。
片思いなら、博さんの事を想ってもいいよね?
博さんや、その彼女を傷つけなければ、・・・いいよね?
・・・無意識に、髪留めを抱きしめていた。