放課になった。
「きりーつ、気を付けー、れー」
日直がやる気なさそうに号令をかけ、教室が騒がしくなった。
尋翔と悠翔は互いの顔を見合わせ、小さく頷いた。
転校生の周りには、早くも人だかりが出来ている。男女に比率は0対10である。
人だかりの真ん中で、楽しそうに笑っている転校生を睨むと、尋翔は迷わず人だかりに突っ込んで行った。
「なぁ」
女共のギスギスした視線を浴びながら尋翔は口を開いた。
「なんだい?」
その返し方に、尋翔はイラッとした。
これまで悠翔と尋翔は、他校の生徒と数多の問題を起こした事はあっても、学校内で暴れた事は、過去の1度きりである。
「てめぇ、ちょっと来いよ」
「わぁお、これは礼儀知らずのお誘いだね」
廉は薄く口元に笑みを浮かべ、尋翔を見上げた。
なんなんだよ…っ。こいつ………っ!!
尋翔のイライラが募る中、そこへ悠翔が参戦してきた。
「邪魔だ!!アマ共!!散れ!」
ビクッと肩をすくめたのは、そこにいた女子達だけでなく、クラス全員、そして悠翔達がいるクラスの前を通った者達もである。
女子達はビクつきながらその場を離れた。
静まり返る教室は、我関せずといった様に見守っている。
廉は悠翔と尋翔の名札を見つめ、次に顔を交互に見つめた。

