神楽先生には敵わない


真顔で見つめてくる先生につい私も見返す。


それからすぐ自分が何気なしに言った発言が、どれだけ意味深な事だったかまじまじと思いしった。



「いや、し、知りたいって言うのは、ふ、深い意味じゃなくてですね!ほら、あの、担当者....そう!!担当者として漫画家さんの気持ちを知りたいって意味で....!」



ーーマズイ!私変なことさらっと言ってた!!




カァァアッ!と顔から熱い蒸気が出そうなほど真っ赤にしてあたふたする。

あまりにも無意識過ぎて自分自身でもなぜ口走ってしまったのかさえ、理解出来ない程だ。


隣で先生が驚いた様子で私を凝視する視線が痛い。


そりゃ、どんな事を考えてるのか知りたいけど、

あの言い方じゃあからさまに先生の事が気になります。って言ってるようなもんじゃないっ!!


もう完璧に勘違いされたよーっ!




頭を抱えて自己嫌悪になる私。

ドクンドクンッと心臓まで激しく鼓動してきた。