「一応今日のことりまに教えとくな。」
車を走らせながらそう言う先輩。
「携帯のCMですよね?」
「ああ。相手の男は結構人気な若手俳優。」
「えとー、たぶん知らない人だと思うけどなんて名前ですか?」
「相崎俊だ。」
「相崎俊……?やっぱり知らないっぽいです。」
「そうか。でも主役とかやったことあるらしいぞ。」
それも初耳。
だけど、主役ってことは演技力も期待できるのかな?
初めて人と一緒に演じるから演技できる人が良いなぁ……なんてね。
「あと……説明つってもほぼ前に話してたな。」
「そうですね。とりあえず、撮影の時わからないことがあったら先輩に聞きます。」
「ああ。それと、お前が良いならメガネはもうはずしといた方が良いと思うけど。」
どうしよ……。んー、でもどうせ撮影の時は外すし芸能人モードになれば平気だからいっかな。
先輩の前ならメガネなくても素でいられるし。
「わかりました。」
そう呟いて、メガネをとる。
「りま、ほんとメガネ1つで変わるよな。」
「そうですか?」
どっちにしろブ……普通の顔だと思うけど。
「ああ、化粧でもな。」
「それはそうですね。藤峰さんが天才だったんだと思いますが。」
「いや、俺はりまの力だと思う。」
私の、力……?
「なんか、ありがとうございます?」
「………お前って、お礼言うとき疑問符つけること多いのな。」
そうだっけ?
「あ、とにかくもう着くぞ。」
「はーい。」
そういったあと、先輩は車を駐車場に停め……
私は芸能人りまに、変わった。
