なんで私が芸能人ッ!?







スタスタスタ……






藤峰さんが歩いている後ろを芸能人モードになって歩く。






「お待たせしました………りまちゃん、化けましたよ。」





藤峰さんが社長さん&先輩に微笑みながら、最後にボソッと何かをいうと二人は不思議そうな顔をしてこっちを見た。
………と思ったら、また絶句した。





あれかな?きっと変わりすぎてて驚いたんだよね!
だって別人になってるもん。芸能人モードだし。
顔が悲惨すぎたせいとか言わないの。






私はにっこり笑って、





「お待たせしました。
藤峰さんって本当に天才なんですね!!
もう、自分が誰だかわからなくなっちゃいました」





こんな私の態度にキョトンとしてる藤峰さん。
美人な顔とのギャップが可愛すぎます。





「いやー、すごいね。
眼鏡を外すだけでも印象変わったけど、化粧でさらに綺麗になったじゃないか。」





と、社長さん。
さらにって……さっき絶句してたよね?顔が悲惨すぎて。





「だろ?こいつは、一握りの人間ってやつになれるんだよ。ここまで化けるんだから。」





なぜか自慢げに話す先輩。
一握りの人間って……過大評価ってやつじゃあありませんか?





「いやー、ほんとだったんだね。
よかったよ、りまちゃんがうちに入ってくれることになって。」





「はぁ。」





ちょっとこれはいくら芸能人モードのりまちゃんでも対応できないよ。
こんなに期待されちゃって意外とヘボいやつだな、とかなっちゃったらどうするんすか?
って、芸能人モードのりまちゃんならもっととポジティブ思考なはずだよね!!





ほら、心を入れ換えてりまちゃん私に入ってこい!






「そんなに期待されちゃうと困りますよー!
努力はしますが、ほどほどにしてください。」





と、笑いながら言った。





「そうだな。まあ心のなかで期待も応援もしといてやるよ。」





うーん、やっぱりナルシ……俺様発言だよね。
普通に頑張れとかだったらありがとうございますで良いのに。
それはそれで期待が重くなるけどさ。





…………あれ?だから、頑張れじゃなくて俺様発言したのかな?
ずいぶんと分かりにくい気遣いですね。






つい口に笑みがこぼれて、





「ありがとうございます。」





なんて言っちゃった。
ただの俺様発言に。気遣いなんてしてないかもしんないのにね。
ちょっと自惚れたかな?





ま、良いや。





なんとなく上機嫌になって、にっこり笑ってた。
今度は演技じゃなくて心から。芸能人モードじゃない私も一緒に。