「あら、だいぶ顔色良くなってきたじゃない。」
「はい。ありがとうございます。」
なんだろう。
やっぱり、気のせいじゃないなぁ……。
眼鏡をつけてるときみたいな感覚。
「いえいえ。良いでしょう?その香り。
オレンジの香りがかすかに混じっていて、心を落ち着かせる効果もあるらしいから試してみたの!」
ふわ~ぁ~っ。
もう一度よくかいでみる。
………あ、ほんとだ。
言われてみればオレンジの香りが隠れてるかのように香っている。
「本当に……落ち着く香りですね。どこかで売ってるんですか?」
「でしょ!?あ…この香水は藤堂財閥が経営してる店に売ってるんだけど、気に入ったんならあげようか?」
「え!?良いんですか?でも勝手に……。」
「良いの良いの。かわりにちゃんと稼ぐのよ?」
そういって手に押し込められた香水。
「通販でも変えるから、切れたら買い足してね。香水名はSuplendor。」
えとー、スプランダーって華美みたいな意味だよね?
「なんで華美なんですか?」
「んー、花言葉じゃない?オレンジの。」
へー……、花言葉なんだ。華美って。
っていうか、藤峰さんって物知りなのかな?
「あっ、ちょっとゆっくりしすぎちゃった!
りまちゃん、超特急でメイクするね。」
「は、はい……。」
うわ~、よく考えたらメイクなんて初めてだからなんか緊張。
って、藤峰さんはや!!
どんな手の動きしてるの!?
「はい、りまちゃんちょっとごめんね~。目を閉じてくれるかな?」
もはや何がなんだかわからない藤峰さんの手が目に近づいてきてぱっと目を閉じる。
それから藤峰さんの手は止まることなく進んでいき(私に目を閉じさせたまま)、
私の顔もどんどん変化していったのだった……。
