*********************翌日にて*******************************
「ふぁ~」
起きるときにあくびがでるのもいつもの日課。
朝は基本自分しかいないときが多い。
ぼーっとしててもしょうがないのでリビングへ向かう。
お父さんお母さんはいつも5時には起きて家を出る。
だから7時に起きる私とは時間がかぶらない。
ていうかよく考えてみると、夕食以外用意してもらったことないんだよね、うん。
………用意してもらったのもほとんど買い弁だけど。
そんでもってお姉ちゃんも仕事で家にいたりいなかったりなのでご飯は自分で用意する。
朝は焼いたパンになにかぬって、ホットミルクと一緒に食べる。
ココアのときもたまにあるけど、大抵ホットミルク。パンは同じ。
チーンッ
パンが焼けたようなので、寝ぼけた顔(になってるだろう)で今日はイチゴジャムをぬった。
…………静かだなぁ。慣れてるけど。
一人で食べるとやっぱりしず、か…だな、あ?
ドタドタっ、ガタっ。
いやいや、なんか物音がするんですけど!?
だっ誰!?強盗!?
それはないとおもうんだけどね?
でも、誰なんですかぁぁぁ!?
ガチャッ。
ドアが開く。
「あれ?りまじゃん!!びっくりしたー。……寝ぼけた顔が覚醒したような顔でなにやってんの?」
やっぱり、寝ぼけてたんだ。
そういう私は口にパンをはさんでかたまっていた。
「お、お姉ちゃん!!」
そう、首にタオルをかけてやってきたのは……
なんとなんと、モデルの矢城ひま、私のお姉ちゃんのお出ましでした。
「お姉ちゃんですよー?なにそんな驚いてんの。」
「だ、だって……お姉ちゃんが朝にいるなんて一ヶ月ぶりくらいだったから……。」
お姉ちゃんは九州ロケに行ってたのです。
しかも昨日の夜に帰ってきてた覚えないんですけど……。
「ほんと久しぶりの我が家だよねー。今、朝シャンしてきちゃった。」
だからタオルがあるんですね。
………それにしても。
「お姉ちゃんお帰り~~~~!!!!」
バフっと抱きつく。
「ただいま、りま。あたしいなくて大丈夫だった?」
「うん、だってお姉ちゃんいつも仕事でいないじゃん。
まぁ代わりにお父さんとお母さんもいないから大丈夫。」
はい、この通り私はお姉ちゃん子なのです。
私がお姉ちゃんを嫌ってると思ったやつ、大間違い!!!
中学は羅奈ちゃんもいるけど、親がきつく当たるなかでお姉ちゃんが唯一の味方だったから。
それでも………お姉ちゃんを恨むことだって妬むことだってある。
けどそれは、私はお姉ちゃんコンプレックスじゃなくて自分のことがコンプレックスってことなんだ。
いっそのこと、お姉ちゃんを嫌いになれれば楽だったかもしれないけど……。
でも、私にとっては光だから嫌うことができないんだ。
だから……光が私の闇を作ったのかな。
