先輩の運転は、宣言通り安全運転だった。
運転中は事故にならないように道案内のための声しか発しなかったけど、その心配もいらなかったかな。
「あ、先輩。ここです。」
「おう。じゃあ止めるぞ。」
そして、家の隣に止まった車から降りた。
「それにしても………、お前のうちでかくないか?」
「そうですか?まあうちは共働きだし、お姉ちゃんの収入もあるから多少は大きいかもしれないけど………。」
「共働きにしてもでかいだろ………ていうか多少じゃねーよ。」
「なんか両親で会社経営してる?とかいってた気しますけど。」
「経営?矢城……ってまさか楼藺財閥に属してる会社の中でトップにたってる矢城なのか?」
「そうなんですか?私は楼藺財閥が関係あることくらいしか知らないんで……。」
先輩の話からすると藤堂財閥に次ぐ大手企業、楼藺財閥の子会社みたいなのの中でトップの会社ってことだよね。
ちなみに、楼藺学園は理事長が楼藺財閥の社長の叔父で、楼藺財閥が経営?してる感じらしい。
それで親にここへ来るように決められてたんだ。お姉ちゃんも。だから先輩の話はあってると思う。
「そういうことで先輩、送ってくれてありがとうございました。」
「ああ、じゃあまた土曜にな。忘れるなよ。」
私は頷いて軽く頭を下げて家に入った。
これからおこるだろう、いろいろな出来事で頭をいっぱいにしながら。
