あれ?

ここはどこだ?

確か俺は倒れた筈なのに・・・?


暑くもなく、涼しくもない。


何も聞こえない。

肌からは何の感覚もない。


辺りを見回して見ても何もない。

真っ白な壁?が一面に見える。

『俺、死んだのか?
えっ?でも、なんで?てか、立ちくらみだけで死ぬか?』

と、1人で話した。

だが、声が響く訳でもなく誰かが返答する訳でもない。


そこで俺は、

『怖い』

と思った。


いつもなら、
『死んでやる』
などと普通に言ってるが実際は怖い。


俺は死んだ?
死んだらどうなる?
俺は天国?それとも地獄に行くのか?

どうなってんだ?


そんな時、
ふっと顔が浮かび上がった。
その人は、

天羽


天羽。
天羽はどうなった?まだあの丘に?誰か、誰か教えてくれ!俺はどうなっても、いい。でも、でも、天羽だけは!
天羽は今俺がこんな状態に、なっていることは分からない。
だから、今でも天羽はあの丘で待っている。

もう一度。もう一度だけ君に逢いたかった。
やっぱり俺は馬鹿だ。
素直になれば良かった。
ん?いや素直にならなかったのは天羽か・・・。
でも、俺が待ち合わせ場所を間違えたからこんな時になったんだよな。
ゴメンな天羽。
最初から天羽を好きにならなきゃよかった。
なんて言って。

俺は10年前から天羽の事が好きだった。
俺は10年前泣キ虫だったから、強虫な天羽が羨ましかった。
だから、俺は泣キ虫を頑張って克服した。
代わりに、天羽が泣キ虫になったね。

でも、やっぱり俺は泣キ虫だよ。
だって、今も目から涙が出ているから。

最後まで心配させてゴメンな。

こんな俺より、もっとカッコ良くて優しくて強虫な彼氏を、見つけろよ。

まっ、俺が言ってもなんだけどな。


こんな俺と最後まで付き合い、心配してくれてありがとう。




俺もうダメかも。



その時。




『ピュー・・・ドカン!』


と大きな音が鳴った。

さっきまでは何の音もなかったのに。

俺は辺りを見回したが花火らしきモノはなかった。

これは、俺の頭の中で鳴っている花火?

てことは、俺は今夢花火の音を聞いたのか?

でも、さっきのような音はもうしなくなった。


最後にもう一度だけ天羽と花火を見たかったな・・・。


本当にゴメンな天羽。

そろそろ限界みたい。


今までありがとう。