あの日は最初で最後の日。


そして、あっという間に3年の月日が経った。


私はあの日と同じ丘の上で花火を見ていると、

ふっと何かに呼ばれた気がした。
振り向くとそこには大きな桜の木があった。


今は夏。
ピンク色だった桜の花も今では緑色の葉になっている。


近寄ってみると、何か桜の木に書いてある事がわかった。


掠れていてあまり読めなかったが、これだけは読めた。


『10年後の俺へ。
俺は天羽と結婚しているか?』

「10年後の私へ。
私は零君と結婚していますか?」


これは私と零君の・・・。

その後には続きがあった。




『好きだよ。』



しかも、この字はさっきの字より少し新しい。

「もしかして・・・」


この字は零君の字。

それに、小さくだけど『天羽へ』
と書いてある。


「やっぱり零君が・・・。」


「ピュ〜・・・・・・ドカンッ!」


花火が上がった。

その花火は「ニッコリマーク」

「やっぱり、零君だったんだね。
私もずっと好きだったよ。」




『「今までありがとう。」』