俺のせいだ。
俺があんな事を言わなければ。
どうして、天羽に言ったんだ。
本当の気持ちを、伝えれば良いのに。
馬鹿。
俺の馬鹿。





時は少し遡る。



今日は花火大会の日。

俺は天羽と来ていた。


でも、俺は・・・。
ずっとイヤホンを耳に当てて音楽ばかり聴いていた。

白いイヤホンのコードが風で靡いている。


折角の機会なのに、俺は天羽と会話もせずに音楽ばかり聴いていた。

別に喧嘩をした訳ではない。


ただ。
ただ、俺は大好きな天羽に恥ずかしさを見れたくなかった。


それに、緊張していたからだ・・・。


天羽も話し掛けて来ようとはする。


だが、その度に俺は天羽とは反対方向を向き目を逸らそうとしている。


カキ氷や焼きそば、焼き鳥などを買った。

けれど、食べる時も会話はしなかった。


天羽は楽しんでいるような、雰囲気ではなかった。

『こんな事なら、来ない方がまし。』


と言うオーラを発しているように俺は思えた。

でも、俺から話しかけれない。


花火が始まった。

俺はイヤホンを不意にとった


花火の音が俺と天羽の距離を縮めた。

そして、いつの間にかあの日誓った場所に来ていた。