もう、来ることのないであろうホテルから躊躇無く、自動ドアを抜ける。 「あ、来た みこ」 「えっ 葵椎!? まだ居たの?」 「酷いな。待ってたのに」 少し不貞腐れた様子を見せながらも 笑顔でいるところがやっぱり年上だなと 思う。 「もう、帰ったと思ってた」 「ん。まあ、気になったし…暇だったし」 「じゃあ、とりあえずご飯食べに行こ」 「ああ、そだな」 当たり前のように隣を歩く葵椎を見上げる