「亜鬼…?」

操られた期間は今日を含め二日間。
記憶を消され、
休憩室で寝ていた期間は恐らく三日間程。

その五日間の間に色々な事があった。


実の兄である刹那が死んで
兄の思いを知った事。
帝国軍兼秘密警察組織の一員として
任務を果たそうとした事。
シラヌイを慕う新米二等兵で、
助手になろうとしてた事。

今までの記憶を思い出したのに、
操られていた時の記憶もあり、
改めて、
親友である、リュウアを失った事
刹那が死んだこと。
ルガルがもう自分の中にいないことを
亜鬼はキチンと受け止めた。

「もう大丈夫。」

「亜鬼!」

クシロに抱きつかれ
亜鬼は微笑む。

・・・

失ったモノの方が多いけれど、
失った代わりに新しい出会いがあった。
俺は一つ一つの瞬間を大事にして、
兄さんや父さん。リュウア、リオに
俺は皆のおかげで今日を生きられてる事
皆に生かされてる命を
決して無駄にはしないと心に決めて、


今新しい一歩を踏み出す。