・・・

「シラヌイ様、
亜鬼を連れてきました。」

「よくやったセツナ。」

シラヌイは亜鬼に目をやると、
ふっと鼻で笑った。
亜鬼の目は赤く染まり、
亜鬼の人格ではなく、ルガルが
シラヌイを睨みつけていた。

「私はこれで。ハヤミ。」

セツナは亜鬼をシラヌイの側に置くと
ハヤミを連れて、部屋を後にした。

「そんな目で私を見るな。ルガル。」

「堕ちた神に何を言われようが構わぬ。
だが、主は助ける。」

「ははっ。もうすぐでその力を
私の為に使う事になるとも知らず
何を意気込んでいる。
私はお前達だけで満足している。
わかるか?」

シラヌイはルガルに顔を近づけると
胸のあたりにSpellを打ち
ルガルを眠らせた。
そして、亜鬼の心を取り出そうと
手を近づけ、亜鬼の体内に入れた。

「あっが!ああああああああ!」

亜鬼はその激痛に叫び、
シラヌイは心を取り出そうと
手をさらに奥へ進めた。

(こいつ…)

そして手を引くと、
亜鬼はどさっと倒れた。
しかしその手には
なにも持っていなかった。