「間に合わなかったか…」

セラがやっとの思いで追いつくと、
そこには、さっきまでリュウアのいた
場所に亜鬼が祈るような体制で泣いていた

「すまない…
もっと早く来てればよかったな…」

「……ない…」

「なんだ…?」

「神なんていないっ!!!
なんで俺の大事なもんばかり
奪ってくんだよ!!
父さんが言ってた!
神は信じていれば必ず答えてくれるって
でも結果はこれだ!!」

亜鬼は祈っていた手を地面に叩きつけて
泣き叫んだ。

「俺のせいだ…」

今の亜鬼には
自分を責める事しか
やり場のない怒りをぶつけることは
出来なかった。
するとセラは亜鬼の側に座り、
破妖刀の話を始めた。

「破妖刀は魔を切る刀。
俺がお前を追ってる時
闇が邪魔して思うように進めなかった。
だがお前が、友達の闇を切ったから、
友達は狭間ではなく、
ちゃんと天に召された。
あのままでは、天どころか地獄にも行けず一人狭間で永遠と迷う所だったんだ…
お前は友達を助けたんだ。」

セラが優しく肩を叩くと
亜鬼は、破妖刀を握りしめた。

すると大きな音と共に
セラと亜鬼の背後で
レイジェントが止まった。

「亜鬼。お兄ちゃんだよ。」