Lone Wolf


・・・
ローザの王は嫌いだった。
鬼の事を奴隷として、働かせ
遂には鬼の里を滅ぼした。
ローザの王は鬼族の敵だと
言い伝えがあった。

でも…俺とリオが一歳になったばかりの時『すまない…家臣たちが
お前達の里を滅ぼし、お前達の行き場をなくした。だがその責は
王である私にある。本当にすまない…』

とローザの王は決して俺達
鬼族を馬鹿にしていた訳ではなかった。
その責を果たすために、
俺達と共に暮らし、
地位も財産も全部捨てて、
鬼族に里を…居場所を作ってくれた。

『農作とは大変なのだな。
これを毎日雨の日までやっていたとは…
知らなかった。』

元王様なのに、皆と同じ
土を耕し、野菜を作り平等に分けて
平民と平等に扱ってくれた。
そんな優しいローザの王様は
みんなの意見で里の領主になった。
それでも威張る事なく皆の事を考えて
行動してくれた。
姫巫女様と結婚して、刹那様と
亜鬼様が生まれた。
だけど亜鬼様が一歳になる頃に
姫巫女様は亡くなってしまった。

俺とリオは三歳で
亜鬼様が大好きだったから
よく領主様に亜鬼様の
面倒を見させられた。
亜鬼様も決して威張る事なく
優しい人に育ってくれた。
だから『俺の事亜鬼って呼んでよ!』と
言われた時は、リオも俺も初めて
友達として亜鬼を見ることが出来た。

刹那様が帝国軍に行くと言った時は
領主様は猛反対して
亜鬼も落ち込んでいた。
だけど、刹那様は里を出て
帝国軍に入った。
それから暫く経って
里の仲間が帰って来なくなった。