「君のお父様は
元ローザ国の王だった。
貧しい民の為に権力を捨て、
自ら平民になった。」

「そんな事聞いてないっ!
父さんと最後何を話した!!!」

「君を守るようにと。
それが、君のお母様とした約束だと
言っていた。」

『私になにか会った時は亜鬼を頼む。』

亜鬼は膝を付き、
自分だけ何も知らなかったと己を恨んだ。

「全ては君のお母様が視た未来のままだ。だが、君の選択で未来は変わる。」

亜鬼は、アレイストを見ると
アレイストは微笑んだ。

「私を信用しなくてもいい。
君の選択でいい。だが、
私は君を守らなくてはいけない
義務がある。それは忘れないでくれ。」

「俺はどうすればいい!!
どうすれば…皆を救える…!
どうすれば、
父さんの想いに応えられる!」

アレイストは叫ぶ亜鬼の声を
聞く事しか出来なかった。
亜鬼は今究極な選択を迫られているのだ。

危険を冒してまで帝国軍に潜り込むか。
ココで自分を奪いに来た所を狙うか。

「本当に…これしかないのか…
真ん中はないのか…」

アレイストは
「暫く考えるといい。
答えは急には見つからない。」と言うと
部屋を出て、亜鬼を一人にさせた。

「父さんは全部知ってた…?
こうなるって事…。」