「うわー!!いっぱい時計がある!
しかも全部時間が違う!!」

「…アロウ。
天使の役目があるんじゃないのか?」

時計塔から追い出す為に
私はアロウに色々な質問をする。

「私は時神と遊びたいの!
役目はいいの
天使なんて私以外にもいるし。」

アロウが見ている時計は、人間の寿命。
それが止まってしまうと人間は死ぬ。
だから早く直さなくちゃ
大変なことになる。
だけど直しても、動かない場合は
もうなにをしても無駄な合図。

それが狂ってしまわない様に
見守るのが、兄から与えられた私の仕事。

人間は過去を思い出そうとする。
それが辛い過去だろうと、関係なく。
だから、
時間は戻ったり進んだりを繰り返す。

「ねぇ?時計塔にずっと居て
さみしくない?」

「さみしくない。」

会話をしてる内に歯車や
時計本体をいじって
新たな時計を作ると、
その時計は少しずつ動き出した。

「新たな命の誕生ね!」

アロウが微笑むと、
なぜか胸が高鳴った。
私の時は、きっと役目が終わるまで
進み続ける。
その時の中でお前はきっと私から
離れて行くだろう。

「そう思うと…
心なしか寂しいかもな…」