Lone Wolf

「なぁリキ。
こいつは戻って来られるのか?
そもそもこいつなんて名前なんだ?」

アレンがリキに尋ねるとリキは
難しそうな顔した。
そして、セラが清輝を送りながら
アレンの質問に答えた。

「この方は、
元ローザ帝国の第15代目皇帝…
キオウ皇帝の御子息…アキ王子だ。
ローザの歴史はお前達が習った通り。
キオウ皇帝はこの国を
鬼の神器、ルガルと共に守っていたが
ある時突然姿を消した。」

キオウ皇帝失踪は
国民達にも影響を与え大騒ぎとなった。
弟と王位争いが起きたとか、
国民を見捨てたとか色々噂が立ったが、
当時住む場所を失っていた
鬼の種族を助ける為に遠出し
そのまま鬼の里に留まっていると言う
情報が得られてからは
悪い噂はなくなった。

「フーロ小国の姫巫女様、
アロウ様と御婚姻され生まれたのが…」

「セラ司教!!」

リキに呼ばれセラが振り向くと
そこには目が赤く染まった“亜鬼”が立っていた。

亜鬼は
「それ以上言うな…。
裏切り者の名など聞きたくない…。」
と言うとベッドに腰掛けた。

「戻って来れたんだな…」

「破妖が光の道を教えてくれた。
それを辿って戻って来た。」

亜鬼はセラの質問に答えると、
俯いて黙ってしまった。