「自分にSpellを打つなんて…
うっ!なんだ!?眩しい!!」

リキの背中には大きな翼が生え
その翼が放つあまりの眩しさに、
アヤメが目を瞑ると、
リキはその隙に「行くっすよ…」と
アヤメにSpellを打った。
光に包まれたSpellが
真っ直ぐアヤメに向かって飛んでいく。
しかし、アヤメに当たる寸前で、
Spellは消えた。

「!?」

「僕をあんまり舐めないでよね…
天使だかなんだか知らないけど…
邪魔なんだよ!」

殺気に覆われたアヤメはSpellを飛ばすと
リキも負けじとSpellを放った。
そして起きた大爆発。

「アヤメ様…。
今夜は引き返しましょう。
司教が集まってこられると厄介です…」

ソウカがそう言うと、
アヤメは首を横に振った。

「シラヌイ様が…
神器を求めておられる…
だから…神器と器を連れて行く…。」

アヤメが再度Spellを飛ばそうとすると
ゼロットが近づいてきた。
ソウカはそのゼロットの中に
シラヌイの気を感じると、
アヤメを強引に担ぎ、
シラヌイの力を辿って、
ゼロットへ乗り込んだ。

「ソウ!?」

アヤメが戸惑っていると
リキは、「逃がさないっす」と
ゼロットに向かってSpellを打った。
しかし、シラヌイの強力な闇が
ゼロットを包み、
リキの光は一瞬で消えた。

「なんだ…あの深い闇は…」

リキが地上に降りると、
クシロが走ってきた。

「大変なの!怪我してる男の子が!」

「!?」

・・・

「シラヌイ様!僕達まだ…!」

「一度作戦を練り直す。
神の器が目覚めるのは
まだ時間がかかる見たいだからな。
神の器が目覚めてからでも遅くはない。」

シラヌイはそう言うと、
納得しきれないアヤメの頭を撫で、
椅子に座り、ローザ神城聖地を後にした。