「貴方は破妖刀に宿りし鬼の神…
破妖様…?」

「私を知っているとは流石だ。
貴様に特別我が名。ルガルと呼ぶ事を
許可してやろうぞ!」

ルガルは破妖刀を亜鬼の体に戻し
リキの背から降りると、
セラと向き合った。

「自分より劣る者に名を呼ばれるのは
お嫌いだと、先代に伺っておりましたので、大変恐縮です。」

セラが落ち着いた声で言うとルガルは、
包帯が巻いてある左目を触った。

「主が悲しんでおられる…。
一つに色んな事がありすぎて、
なにがなんだかわからなくなっている。
私は主を“彼奴等”にも託された…。
だから何としてでも守らねばならぬ…。」

ルガルはインとリンリンを見ると
教会の側に立っている
大きな時計塔を見上げた。
そして、セラとリキもルガルの
言いたい事を察した。
ローザ神城聖地…元ローザ帝国。
神が人々罪から赦し助ける国に
偶然か…あるいは運命か…
四つの神器とその器が集まったのだ。