互いに譲らず、時間が過ぎて行く。
下手な動きをすれば死ぬ。
そんな中、鈴王を後ろからSpellが襲った。

「そこまでだ。鈴王。」

報告を受けたシラヌイが
Spellで鈴王を拘束し、身柄を確保した。

「大丈夫かココノエ。」

「はい!大丈夫です!
でも危ない所でした。
ありがとうございます!」

(かなりの闇を含むSpell…。普通なら、
闇に飲まれて己を傷付けるのに…)

鈴王はシラヌイを強く睨むと
手を少し動かしてSpellを出そうと試みた。
しかし、シラヌイには効かず、
無駄だとわかると抵抗をやめて
隙が出るのを静かに待った。
すると、どこから飛んできたSpellが
シラヌイの顔に当たった。

「帝国軍兼秘密警察組織!
ここは、ローザ神城聖地の区域だぞ!
神の神器を解放しろー!」

黒髪揺らし、
彼方此方に葉っぱをつけた少年と
綺麗な金髪に青い目をした少女は
シラヌイを睨むと、少し手を動かし、
Spellで鈴王の拘束を解こうとした。
すると、シラヌイがSpellで静止し、
アレンとラウルは鈴王から離され、
近づけなくなった。

「教会の奴か…それも新米…」

シラヌイがため息をつくと、
ココノエが近づき、指を立て
「ここはシルバス帝国区域で、
ローザ神城聖地の区域じゃないよ。」と
教えるとアレンとラウルはニコッと笑って
「あれれ?間違えちゃったかな?
ごめんなさい。俺たちまだ新米でー
あはは…」

「次間違えたら、殺しちゃうからねー」

ココノエが笑うと、
シラヌイは何かに気づき
船内に急いで戻って行った。

「そうそう!
シラヌイ様に攻撃したのは誰?
君達じゃないよね?」

「知らないですよ!
俺たちは神器が連れて行かれるのを見て
それを付けてきただけですから!」

ラウルとアレンはそう言うと
森の中に引き返して行った。

「「時間は足りたかな…?」」