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「やっと着いたよ。フーロの町」

シラヌイの指示通り獣人が住む町
フーロに降り立ったココノエ。
辺りは可笑しいくらい静かで、
まるで誰もいないような
雰囲気を出していた。

「あれ?フーロの町って
こんなに静かだったっけ?あっ!」

なにかに気が付いたココノエの声は
ココノエが連れていた
二等兵の一人に遮られ消えた。
「毎年この時期は
神楽が行われているので
神社にいるかと思われます!」と
二等兵は自信満々に言うと、
顔を赤くし褒められるのを待った。
ココノエはその二等兵に
Spellで作った花を胸に付け、
「貴方に神の御加護がありますよーに」
と言うと指を鳴らし爆破させた。

「なに僕が言いたかった
セリフ横取りしてんの?
最悪。恥を知れ恥を!
発言許可してないのに言葉を、
ベラベラベラベラ!
煩いんだよバーカ!」

ココノエは爆破した二等兵を踏んだ後、
ニコッと笑って、「なんてね!」と言うと爆破した二等兵を元の形に戻した。

「ココノエ大佐…今のは…一体」

元に戻った二等兵は、
困惑しココノエに今起こった事を尋ねた。

「僕のSpellは思考感情体なの。
今のは僕の頭の中で、
君を爆破させたって考えてー
イラついた感情でそれを具現化させたの。それと同じ方法で君を復活させたんだ♪
怖かったでしょ!?ごめんねー!」

イタズラっぽく謝ると
ココノエは前を向いて歩き出した。
だがその後ろからは、
二等兵の叫び声が響いた。

「これぞ正に生きる屍だよねー♪」