次ぎの日の朝。美香は再び、娘の元に向かった。
 「また来たのですか?」
 「あたしが変わる!あたしが生け贄になるから。大丈夫。絶対に、死なない。死なない自信がある。」
 美香のその真剣な表情に、娘の心は動かされた。今までの真剣な眼差しは一気に崩れ、美香に泣きついた。そこへ、村の長と思われる人が出て来てこう言った。
 「悪魔め!我が村をつぶすつもりじゃな?生け贄により、守られしこの村を潰すつもりじゃろう!させぬぞ?」
 「違うんです、長!待って下さい。」
 「ええい、黙らんか。エアリエル!おぬしを思うて、言うておるのだぞ!」
 「はい・・・父上。」
娘はそう言うと、家から追い出されそうになっている美香にこう言った。
 「・・・大丈夫。私だって、死なない自信はあります。」
 「ダメだよ・・・お願い・・・死に行かないで・・・!」
 美香のその言葉は無残にもかき消された。娘は村の男達によって、山のふもとにまで運ばれた。
 「行くよ?美香。これで、終わる気は無いんだろ?」
 北斗はそう言うとユニコーンへと変わり、見ず知らずの娘に涙を流す美香をその背に乗せ、森へと急いだ。皆も北斗達の後を追って、森の中へと入っていった。