「逃げ足の速い奴だ・・・」
 ラーグウェイがそう言うと、北斗も続けた。
 「確かにね・・・あんなのが僕等の倒そうとしている敵かと思うと、身震いするよ。あっ!美香!明は?!」
 「大丈夫!死んでないから!生きているから!嵐が何とかしてくれたから!」
 美咲から美香へと戻ってそう言うと、北斗は安心したのかその場にへたり込んだ。
 「ノース様。いくら彼が死んでいないといっても、いくら私が怪我を治したといっても、重傷だった事に変わりありません。早急に、街まで向かうべきです!」
 ブラウニーがそう言うと、北斗は頷いた。
 「僕が、明を乗せて先に町まで行くよ。」
 そう言うと、明を自分の背に乗せた。そして、風の様に速く闇の中を走った。
 「大丈夫・・・かな?」
 「ノース様が居れば、心配は無いと思いますけど・・・」
 二人がそう言って沈んでいると、ラーグウェイがこう言った。
 「ノースはお前らのリーダーなのだろう?だったら、信じてやったらどうなんだ。それに、人間というのは生命力の高い生き物だ。そうやすやすと死ぬはずも無いだろう。かりにも、ブラウニーが手当てしているんだ。それで死んだら、冗談にもならん。」
 そして彼がフッと微笑むと、美香は安心したのかラーグウェイにもたれかかるようにして眠っていた。
 「いくら魔女と言っても、まだまだ子供ですものね。」
 ブラウンはそう言って微笑んだ。そして、三人はその場で眠りに落ちた。