「―――ハッ―――明さん避けてー!」
 「えっ・・・?」
 〔遅いっ!空なる気よ、我が手に触れよ。フリーズ・アンデュレイション・・・〕
 デーモンキングがそう呟くと、明の鎧にピシッとヒビが入り、ボロボロと崩れ落ちた。その剣も、相手に突き刺さる一歩手前でボロボロと崩れ落ちた。
  「明っ?!」
 美香が駆け寄ると、明から深紅の液体が止めど無く流れていた。
 「明?!ブラウン!できる?」
 「やってみます!」風流―――いや、この姿なのでブラウンのほうがいいだろうか?―――はその手を明にかざした。「森の聖なる樹木よ。我にこの者を助けるだけの力を!ヒーリング!」
 ブラウンがそう叫ぶと、明の傷口がス―ッとふさがっていった。
 「治ったー。」
 美香が笑顔でそう言った。