「どうした?」
 明がそう聞くと、闇の中から一人の男が姿を表した。黒いマントが全体を覆い、顔も面が覆っている。だが、その身体から死者の匂いが漂っていた。
 「誰・・・っ?!」
 美香がそう叫ぶと、黒い影は耳まで裂けた口を横に広げた。
 〔知っているのだろう?我は、貴様等が倒そうとしている者だ。〕
 その言葉には、敵とは思えないほどの堂々とした貫禄があった。オーラが、ただ者ではない事を告げていた。
 「マジかよ・・・いきなり大ボスじゃねぇかよ。」
 明が引きながらそう言った。嫌な汗が、頬をつたって落ちる。ラーグウェイは落ちついてこう言った。
 「何の様だ?」
 〔貴様等のような弱い奴等に、我等の計画を邪魔されては困るのでな。忠告しに来てやったのだよ。〕
 その言葉に、明はカチンッときて敵の大ボス―――デーモンキングの前に出た。
 「誰が弱いんだよ。あぁ?その言葉、そっくりそのまま返してやるぜ!」
 そう言って、彼は大ボスに突っ込んで行った。その鋼の剣を振りかざして。
 「寄せっ!お前の勝てる相手じゃない!それは知っているだろう?!やめるんだ!明!明ぁ!」
 北斗のその声に耳を貸さず、彼はデーモンキングへと突っ込んだ。大ボスは、彼に手をかざした。その手が、パーっと明るくなった。