ラーグウェイは、左手の薬指と小指を内側にまげると、その手を口元に持って行きこう唱えた。
 「四大元素の精霊、地の精・ノームよ。我に力を。この身を守れるだけの強い防御を!アース・ディフェンス!!」ラーグウェイがそう叫ぶと、彼を黄土色の光りが包み込んだ。「そして、他の者達にも強力な防御を!アース・ディメンシス!!」
 今度は、残りの四人がその光りに包まれた。暖かく、心地よい光りだ。自分が強くなったような気分に陥った。
 「やっぱ・・・バンパイアって、燃やすと死ぬ?」
 美香が敵の攻撃を避けながら聞くと、風流も敵の攻撃をかわしながら答えた。
 「そりゃあ・・・そうでしょうね。火葬で死にますから。現に、私は村を焼き払ってからココに来ましたから・・・」
 「うん。ありがとね・・・・・」美香は一度呼吸を整えると、杖をバンパイアにむけて構えた。「この大気に流れる空なる気よ。我の聖なる杖の先に触れ、灼熱の炎となれ!ヘル・ファイア!!」
 流石に、これは凄い。魔女が持つ杖だからこそ、その魔力は何倍にもなる。そして、彼女の今もって居る杖のモチーフは火の精霊だ。その魔力は並大抵の物ではない。バンパイアは、一瞬で灰になった。だが、次ぎの瞬間。美香の後ろからスケルトンが襲ってきたのだ。再び彼女の悲鳴が部屋中に木霊した。