「妹を放せ、バラコスタ!」
 リデロはそう言うと、妹の手を引いてその屋敷を出た。ナキに彼女を乗せると、自分もまたがった。と同時に、背中に激痛を感じた。兄は、ナキを走らせた。妹を先に帰らせたのだ。
 「どうした?恐れをなしたか?」
 棒立ち状態だったリデロに、叔父はそう言った。パチパチと叔父の屋敷が燃えていく。
 「恐れる?誰が?この俺が?」そこまで言うと、彼は狂ったように笑い声を上げてこう続けた。「まさか!妹に、お前の死に顔を、見せないためだ!」
 その言葉に、叔父は真剣な顔つきになった。リデロは、呼吸を整え、髪をポニーテールに結んで叫んだ。
 「土のトパーズよ!我に力を!この傍若無人なドワーフを、殺す力を!ソウル・クラッシュ!!」
 地面を大木槌で殴ると、大地の精に貰った土のトパーズのベルトからの力が、地面に浸透した。そして、それは、主人の願いに答えるかのように、叔父を包み込んだ。そして、粉砕した。肉体だけでなく、魂までも。