「お兄・・・ちゃん・・・・?」
兄の姿を確認すると、妹はそう言った。落としたロウソクの炎がまわる中で、彼女を束縛する全てのものを取り払うと、妹は兄を抱きしめた。そして、彼女は大声で泣いた。そんな妹の頭を、リデロは優しく撫でてやった。もう何年、この肌の温かさを感じられなかったのだろう。もう何年、この優しい声を聞いていなかったのだろう。もう何年も、これから先もずっと、一生会えないかと思っていた。
「リベロ。ごめん。ごめんな・・・」
彼がそう言うと、妹は気にしないでと首を横に振った。妹に、自分の着ていたマントを着せると、二人はこの部屋から出ようとした。
「リデロ。何をしている?」
バラコスタが、そこに立っていた。リベロの顔が、恐怖の色に染まった。
「バラコスタ・ドラン・・・貴様、妹に何をした!」
「何も?ただの、調教さ。」
彼はそう言うと、リベロの腕を見せた。左腕のドワーフの焼印が、消えかかっていた。叔父の腕には、それはもうなかった。ドワーフの左腕の焼印。それは、一生をドワーフとして過ごす者の証。ドワーフの民の元で生まれ、道を外さなかった者の証。それが無いと言う事は、道を外したと言う事になる。
兄の姿を確認すると、妹はそう言った。落としたロウソクの炎がまわる中で、彼女を束縛する全てのものを取り払うと、妹は兄を抱きしめた。そして、彼女は大声で泣いた。そんな妹の頭を、リデロは優しく撫でてやった。もう何年、この肌の温かさを感じられなかったのだろう。もう何年、この優しい声を聞いていなかったのだろう。もう何年も、これから先もずっと、一生会えないかと思っていた。
「リベロ。ごめん。ごめんな・・・」
彼がそう言うと、妹は気にしないでと首を横に振った。妹に、自分の着ていたマントを着せると、二人はこの部屋から出ようとした。
「リデロ。何をしている?」
バラコスタが、そこに立っていた。リベロの顔が、恐怖の色に染まった。
「バラコスタ・ドラン・・・貴様、妹に何をした!」
「何も?ただの、調教さ。」
彼はそう言うと、リベロの腕を見せた。左腕のドワーフの焼印が、消えかかっていた。叔父の腕には、それはもうなかった。ドワーフの左腕の焼印。それは、一生をドワーフとして過ごす者の証。ドワーフの民の元で生まれ、道を外さなかった者の証。それが無いと言う事は、道を外したと言う事になる。


